京都迎賓館とは、京都にある海外からの賓客を接待するための内閣府管轄の施設です。
あまり知られていませんが、一般でも見学可能となっているので行ってきました!
以下は京都迎賓館の見学レポートです。
京都迎賓館とは
京都迎賓館は日本の歴史、文化を象徴する都市・京都で、海外からの賓客を心をこめてお迎えし、日本への理解と友好を深めていただく施設として平成17年に建設されました。
歴史的景観や周辺の自然環境との調和を図るため、日本の伝統的な住居である入母屋(いりもや)屋根と数寄屋(すきや)造りの外観とし、品格のある和風の佇まいを創出しています。
建物や調度品には、数寄屋大工、左官、作庭、截金(きりかね)、西陣織や蒔絵(まきえ)、
漆など、数多くの京都を代表する伝統技能において匠の技を用いています。
(公式HPより)
京都迎賓館の場所
京都御所の東隣にあります。
最寄駅は京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅。
3番出口より徒歩約15分程度ですが、公園の中に入ってからが遠いので時間には余裕を持って出かけましょう。
京都迎賓館の見学方法
事前に公式HPから観覧予約をします。
公式サイト:京都迎賓館(別ウインドウが開きます)
自由観覧とガイドツアーの2種がありますが、ガイドツアー付をおすすめします。
観覧料は大人2,000円、大学生1,500円、中高生700円。
※小学生以下は観覧不可
京都迎賓館 ガイドツアー
ガイドツアーは観覧時間約70分。1回につき数グループがまとまり、ガイド付きで観覧します。
私が訪問した際は4グループ8名でした。
予約した時間に京都迎賓館の西門前に集合。
受付を済ませ、京都迎賓館の地下へと進みます。
保安上の理由から地下は撮影不可。
入口は空港の保安検査場のようになっており、持ち物の赤外線チェックを受け、金属探知機をくぐります。
何もなければ券売機で観覧チケットを購入。
そのまま進み、大きなカバンはコインロッカーへ預けます。100円必要ですがリターン式。
続いてパイプ椅子がならんでいるスペースで着席し、ガイドさんから説明を受け、10分ほどの京都迎賓館プロモーションビデオを見ます。
ビデオが終わったら1階へ。
車寄せと正面玄関。とにかく広い。
正面玄関
靴を靴箱に預け、館内用スリッパに履き替えます。
いよいよ中へ。
正面玄関。扉は樹齢700年の欅の一枚板です。
じゃじゃーん!
入って正面。賓客がある時は正面に屏風を置き、その時々のいけばながしつらえられるそう。
玄関内側から外をみたところ。日本国旗が掲揚されています。
聚楽(じゅらく)の間
玄関からすぐのところにある「聚楽の間」はロビーとして位置づけされている空間。
晩餐会が行われている時は、随行員の待合としても使われるそうです。
安楽椅子の張地は「京指物(きょうさしもの)」の技法。
窓がない部屋なので、室内を明るく見せるために鮮やかな赤い張地が選ばれています。
竹工芸・漆・螺鈿の飾り台、
上に乗っている花かごは人間国宝である早川尚古斎氏による竹工芸です。
廊下。建物の大きさが分かるでしょうか。
夕映えの間
大臣の会合や晩餐会の待合として使われる部屋です。
壁面は絵画に見えますが、日本画家の箱崎陸昌氏の下絵を基にした綴織りの技法の織物です。
比叡山を月が照らす様子を描いた「比叡月映(ひえいげつえい)」という作品だそう。
ちょっとした空間にもオブジェがあります。
藤の間
京都迎賓館で最も大きな部屋で、歓迎式典の会場や晩餐会場として使われています。
円卓を並べると120名ほどの会食が可能だとか。
壁面の装飾は日本画家の鹿見喜陌氏の下絵を基にした綴織りの技法の織物です。
39種類の日本の草花が織り込まれた「麗花(れいか)」という作品だそう。
横幅16.6メートルありますが、継ぎ目などなく1枚もの(!)です。
天井を下から見上げたところ。
照明は可動式で、いくつかのパターンで部屋を演出することができます。
舞台扉は人間国宝の故 江里佐代子氏の作品。金箔と銀色のプラチナ箔を使った「截金」という技術。作品名は「響流光韻(こうるこういん)」。
隅っこにテーブルセッティングもしつらえられていました。
食器には内閣府の紋章である五七桐花紋が入っています。
藤の間から見たお庭。
色んなラグジュアリーホテルのお庭を見ましたが、格が違いました・・・素晴らしいのひとこと。
桐の間
和食を提供する晩餐室。
最大24名が会食可能です。
中央にあるテーブルは全長12メートル、漆の一枚仕上(!)です。
芸妓さんや舞妓さんによる舞や琴の演奏が行われることもあるそう。
外国の賓客向けに、正座をせずに済むよう掘りごたつとなっています。
座椅子の背にあしらわれている五七桐花紋は、一脚づつ微妙に仕上げが違っており同じものはないそうです。
桐の間から望むお庭。
庭の踏み石は日本各地から取り寄せられており、橋脚に使われていたものや、蕎麦引きの水車小屋にあったものなど色々。手前の石にある穴は橋脚の柱の跡です。
庭園
池に挟まれて向かい合ったふたつの建物の間には橋が渡されています。
橋の上から眺めたお庭。鯉が泳いでいて、エサやりを楽しむこともできるそう。
池を小舟で遊覧することもできます。平安時代みたい。
廊下をまわってスタート地点の正面玄関へ帰ってきました。
これでツアー終了です。
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藤の間にあった「麗花」の部分ショット。これ織物ですよ?
日本の伝統技能の神髄ここにあり、といった感じ。
とにかく品が良くて美しくて・・・一度は訪れてみて損はないと思います。
美術館好きな人は絶対に楽しいはず。
興味を持った方ぜひ!おすすめです。
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